ご焼香とはお香をたくことで、特にお葬式の際にお香をたいて故人に手向けることをいいます。ご焼香はお通夜と告別式の際に行います。宗派によってその回数やお線香の場合であれば、その本数は異なっているため、遺族は僧侶や葬祭業者と打ち合わせをする際に確認しておいたほうが良いようです。
ここで大切なのは、故人を偲ぶ気持ちであるため、参列者は宗派と違う作法で行っても失礼になるわけではありません。何よりも心をこめることが大切です。基本的にご焼香は、仏式の葬儀で行われていることで、キリスト教式の葬儀の場合、必ずしも行うことではありません。
プロテスタントでは行わないことが一般的になっており、カトリックでは行う場合が行うことが多いようです。また、最近増えてきている宗教儀礼を伴わない無宗教葬の場合も行うことはなく、代わりに献花などをするのが通常のようです。
ほとんどの場合、葬儀は仏式で行われています。しかし神式で行う人もいて、その場合のお葬式は葬場祭といいます。仏式の場合は、お葬式を旅立ちの儀式としますが、神式の場合は人が亡くなることを穢れと見るため、葬儀は神社で行うことはなく、斎場か自宅で行います。
葬場祭が始まる前には、参列者は手水の儀という手と口を洗って清める儀式を行います。この手水の儀の後、神官と遺族の入場に続いて始まりますが、仏式の場合のご焼香の代わりに、神式では玉串を捧げます。玉串は四手と呼ばれる白い紙をつけた榊の枝です。
この作法は、右手で枝側を上からつかみ、左手で葉先を下から支えて持ちます。そして案と呼ばれる台の前に進んだら目礼し、玉串の根元を神前に向けて両手で供えます。その後姿勢を正して2歩か3歩下がったら、丁寧に2拝、音を立てないしのび手で2拍手して、最後に1拝して終了です。
あまり機会は多くあるわけではありませんが、おおよその作法は把握しておくことが必要かもしれません。